■圧倒的な画力の青春ラブコメ(?)
正直このマンガのジャンルをどう表現するか迷っています。コメディですが、少年マンガで言うラブコメとは少し違う。ラブの定義がかなりアダルティですし、ラブの対象が「人」ではなく「癖」なのです。ちなみにSM要素を含めてコアな性癖を刺激するネタが分断に盛り込まれています。読者の笑いと嫌悪のギリギリのラインをひた走る「漢」のマンガ。それがこのプリンズンスクールなのです。本書で特筆すべき点はその画力と構成力です。まるで映像作品かのような構図とカットインは見るものを魅了します。あと作中のボキャブラリーが豊富なので予想外な単語に吹き出します。これらは一度読んでみないとわかりませんね。
■いつだって真剣。濃すぎるキャラクター。
登場するキャラクターは何時でも真剣です。己の信念を貫いて、どんな苦境でも活路を見出す。昨今のマンガでは何かをなす時に代償として大きな犠牲を払う、といった事をテーマにする傾向にあります。このプリズンスクールも例に漏れないのですが、彼らの選択は予想の遥か斜め上を行きます。守るものと捨てるものの基準が常人のそれとは違うのです。しかし、それでもキャラクターの行動基準はブレません。そのせいで彼らは散々な目にあいます。例えば緑川花の負けん気の強さが彼女を狂気の道へと誘うのです(笑)。やられたらやり返す・・・いやいやそれは返しちゃダメだろ!ってことをします。あと巻数を読み進めればわかりますが、アンドレの頭部のモチーフに衝撃を受けると思います。ああ・・・だからあの髪型なんだと。作者は作中の状況をキャラクターによく代弁させるのですが、事細かに文章に起こしてくるため思わず吹き出してしまいます。
斬新な設定。だけど、どこか懐かしい。
このマンガを読み進めているうちに郷愁にも似た感覚を味わいました。どこか懐かしい。子供の頃に夢中だったマンガ達の流れを組んでいるように思えるのです。 個人的には「ラブひな」と「浦安鉄筋家族」を足して2で割った内容に思えます。コメディ要素にも基本がありますので 、同じニオイがすることはしょうがないでしょう。
第1巻の説明&感想
共学になった直後の女子高に幸運にも入学できた5人の男子。1対200の男女比率は思春期の真っ只中にいる彼らにとって、判断を誤らせるには十分な比率だったようです。一話から迷うことなく風呂覗き(犯罪です!)を選択するとは・・・まさにこのマンガの特徴を色濃く現わしていると思います。とにもかくにも、これが原因でプリズン行きが決定するのですが・・・。以外にも彼らはプリズンに順応し始めます。その理由は、我らが裏副会長(芽衣子)にあります。ダイナマイト級のスタイルから繰り出されるSプレイに彼らは終始興奮しっぱなし。SM要素はマンガでよくネタにされますが、本書ではSと何か?Mとは何か?という問いの答えがしっかりと描写されています。無駄に作者の画力が高いので、生々しさMAXとなっています。
キヨシと花ちゃんとの運命的(?)な出会いはこの巻からですね。以降、彼らの運命は複雑に絡み合っていきます。そう・・・まるでウロボロスのように。私的に花ちゃんはヒロインの中でも一番好きなキャラクターです。
ガクトはこの巻でもう弄られキャラが確定します。何もしてないのに折檻を受けるし(笑)。会長はまだ露出は少ないですね。いろんな意味で。巻を進めるごとにきっと皆さんの中での株は上昇するでしょう。
あと学園長。あんたいい加減にしなさい。受刑者に対する待遇が悪くなっていったのはあなたのせいだ。
※これからも本書のレビューを書いていく予定です。皆さんも作品のご感想等があれば、ぜひこの記事のコメントに書き込んじゃってください。お願いします。