DSC01476

■APS-Cは一番実用性が高い

  レンズ交換式に限れば主なセンサーサイズは以下の4種類です。数字が若いほどサイズが大きいです。
  1.フルサイズ
  2.APS-C
  3.マイクロフォーサーズ
  4.1インチ 

 その中でも私はAPS-Cが一番実用性が高いと感じています。 
 ではなぜAPS-Cサイズの一眼が実用的なのか。それを今回は説明していこうと思います。

■本体サイズが丁度いい

  ずばり、センサーサイズが小さいとカメラ全体が「小さく」「軽く」なるのです。レンズはセンサーの対角線の3乗に比例して体積が大きくなり、同時に重くなっていきます。レンズが重くなると本体の剛性も重要になってくるため、本体も大きく重くなります。
 では大きく重くなると何が悪いのか。 
 カメラを持ちだすのが億劫になりますし、なにより 一目が気になりだします。
 もし、ものすごく暗い(星撮etc)とか、ものすごく速い(F1撮etc)とか、ものすごく遠い(鳥撮etc)といった、極限の世界を最高の画質で写真に収めたいのであれば、フルサイズ一択になります。そのような場面ではきっと周りも同じような方が多く、自然と馴染める環境が整っていると思います。 
 しかし想像してみてください。人通りの多い、何気ない街中ではどうでしょう。友達との食事シーンをスナップする時はどうでしょう。はたまた、山登りなどで高い山頂を目指す時に、あなたは10数kgもあるカメラシステムを持っていきますか。
 原理的にいうとセンサーサイズが大きいほど、センサー単体の能力は高くなります。しかし、ある一定水準の光量があるとAPS-Cもフルサイズも画質はほぼ変わりません。つまりフルサイズは画質が良いというよりも、イメージとしては撮影に耐える限界値が他よりも大きいということです。私の撮影ではまだAPS-Cで十分満足できるため、フルサイズよりもAPS-Cを推しています。
  ただフルサイズでないと撮れないものがあるんだという人にはフルサイズを選ぶべきだと思います。どんな苦行に耐えるだという意気込みは尊敬に値すると思います。しかし黒くて大きい一眼は回りに威圧感を与えますし、フルサイズを持ちだすような方は大体ガチ装備なので、余計ただ事ではないオーラを纏っているように感じます。私たち写真愛好者が撮影に集中する以上に、目の前の風景を目に焼き付けて思い出を残そうとしている人達の事を忘れてはなりません。
 私は回りを意識してしまうため、APS-Cのミラーレスを持ちだす頻度が非常に高いです。 

■レンズの選択肢が一番多い

  例えばマイクロフォーサーズに関してはオリンパスとパナソニック主導でレンズを提供しています。(オリンパスに関してはズイコーですかね)
 レンズには基本的なラインナップというものがありますが、マイクロフォーサーズはそれを十分カバーしていると思います。ただ如何せん、値段を考慮した選択肢は狭いんです。それに特殊なレンズは少ないイメージですね。
 コアなレンズはサードパーティがカバーしていたりするのですが、 マイクロフォーサーズ向けのものがほとんどありません。リーズナブルで高性能なサードパーティ製のレンズが使えないのは、正直物足りないです。
 その点、APS-Cは市場で最も普及しているセンサーサイズなこともあってレンズの選択肢は多いです。シグマやタムロンは非常に高性能なAPS-C専用レンズも提供していますし、 各社が純正で威信を掛けて製造しているフルサイズ用レンズも一応使えます。画角は狭まりますが、中央の美味しい部分を使えます。画角が狭まるということは焦点距離が長くなります。(より遠くの物を拡大できる)
 フルサイズはAPS-C専用レンズを使うとケラレるためクロップされます。(結果的に解像度が下がってしまう)

■連写性能が良い

 原理的にセンサーサイズが小さいとシャッターの切る際のエネルギーが小さくなるため連写性能が高くなります。機種によっては秒間12連写を達成しているものもあります。高いと何が良いかと言うと、例えばスポーツ撮影などで活きてきます。スポーツの動きは複雑で、比較的に速いです。必然的にシャッター速度を稼ぐために絞りを開きたくなりますが、同時に被写界深度も浅くためピント合わせがシビアになってきます。そのため連写して歩留まりを上げたり、ベストショットを逃す確率が下がります。

■まとめ

 いかがでしょうか。携行性、レンズの選択肢、連写性能が高い機種が多く、私にとってはAPS-Cが一番実用性が高いと感じています。フルサイズは暗所に強いと言われていますが、それは高ISO値のノイズ量だけを考えた意見です。フルサイズはセンサーサイズが大きいため被写界深度が浅くなるため、居酒屋等の暗い部屋で複数人物を取る場合は絞りたくなります。(結果的にAPS-Cと条件が変わらなかったりします。)
ただ遠方の風景を撮る時や、一人の被写体をポートレート撮影する場合は話が別です。遠方の場合は被写界深度の差を押さえれますし、ポートレートにおいてはAPS-Cでは味わえないボケ量で印象深い写真が撮影できます。どうしても撮りたいものがあってフルサイズが必要なんだという方は、APS-Cよりもフルサイズに行った方が幸せになれるでしょう。
 以下に私のおすすめの機材等を紹介します。もしカメラ購入で迷っている方の参考になれば幸いです。
 

<APS-Cサイズ一眼>
 ソニー製のセンサーを使用しているカメラがおすすめです。コンシューマー向けで最も先進的で性能が高いセンサーはソニー製です。あとカメラ本体とレンズは絶対にけちらないようにしてください。あとで必ず後悔します。最初の一品は必ずレンズキットで。特にα77IIのレンズはF2.8通しの明るい標準レンズで、他社比較でレンズ単価がかなり安くて高性能でお買い得です。
 トランスルーセントミラーで減光されるので敬遠されがちなソニー一眼ですが、等倍であら捜しさえしなければ十分満足できる暗所性能です。なにより動体追従性が高いというメリットがあるのでスポーツ撮りに最適です。
 





 リコーのペンタックスはAPS-Cサイズセンサーに拘ってきた歴史もあっておすすめです。(純正APS-C専用レンズが豊富)
KPは小型なボディで超高感度(ISO80万越え)で撮影できるし、防塵防滴で野外撮影に最適ですね。





ニコンもおすすめです。センサーはソニーですが過去のレンズ資産が多く、ユーザーが多いためモデルチェンジも割と頻繁に行われています。スマホとBluetooth(Low Energy対応)で繋がれるので便利です。






 APS-Cミラーレスと言われるサイズ感ではα6000シリーズ一択ではないでしょうか。何度も言いますが撮像素子製造で最も先進的かつシェアを持っている会社はSONYです。また国内だとCANONや富士フィルムは独自センサーを使っていますが、同世代機種で比べると基本性能はSONYが一番高いです。ただ富士フィルムは色づくりや後述するX-transセンサーで差別化されているのでおすすめです。
 最新の高画質APS-Cセンサー、軽量コンパクト。何よりも4Dフォーカスを冠する強力な像面位相差AFを持っています。
 モデルチェンジするのではなく旧製品も併売するスタイルになったSONYです。α6000、α6300、α6500とありますが、実売価格が最新機種になるほど跳ね上がります。
もちろんセンサーシフト式手振れ補正付きのα6500がおすすめなのですが、4K動画が必要でなければα6000が手ごろでかつ高性能でおすすめです。中古価格もこなれてきましたが、基本的にカメラ本体は生ものとお考え下さい。シャッターの耐久性なども考慮する必要性があるので新品で購入をおすすめします。


 ソニーセンサーではないですが、x-transセンサー搭載の富士フィルムの一眼もおすすめしてみます。
x-transセンサーはカラーフィルターの配列を不規則にして、ローパスフィルタなしでモアレを低減させています。
今のところAPS-Cのみ展開しているため、自社製のAPS-C専用レンズのみを提供しています。ただシグマがこのマウントをサポートしていないことが難点なんですよね。


 <シグマレンズ>
 超広角 こちらのレンズに関しては当サイトでもレビューしています。ぜひ一度ご覧ください。




 唯一ズームレンズで最高のF値1.8を誇るレンズ。描写も一級品です。APS-Cならばぜひ持っておきたいレンズです。



 映りの良い標準域の単焦点レンズ。注目はF値1.4と明るいところです。各社の純正でAPS-C専用のF値1.4単焦点レンズは聞いたことがありません。